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患者の‘見方’に関する一考察
高嶋 久子
1
1福島県立会津若松看護専門学院
pp.132-134
発行日 1974年2月25日
Published Date 1974/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906751
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はじめに
看護教育における新カリキュラムが実施され,早くも5年を経過した.看護教育が,いわゆる新カリに移行されたとき,その大きなねらいは,一口に言って,いわゆる‘患者中心の看護’への移行だった.看護の対象を,人間の‘疾病’を中心とした‘患者’としてとらえるのではなく,‘疾病’を持った‘人間’として患者を全人的にとらえることが,新カリの中心課題であったと,私自身は受け取っている.
はたしてその意図は達せられたであろうか.また,達せられつつあるであろうか.もちろん5年という短い歳月で,その意図するところを云々することは不可能であり,また,教育という効果判定の非常に難しい分野においては,なおさらのことと思われる.しかし,はたして私たち日本人(看護婦)は,患者を正しく全人的にとらえることができるのであろうか.また,新カリが意図するように,よりいっそう全人的にとらえる必要があるのだろうか,これらの点について,日本人のコミュニケーションの特性といったものを手がかりに,社会学的な視野から,患者の‘見方'について考えてみたいと思う.
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