調査・研究
患者から拒否された学生の指導過程の検討―自己の振り返りを促す指導についての一考察
越田 佳恵
1
1石川県立総合看護専門学校
pp.384-388
発行日 1996年5月25日
Published Date 1996/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901376
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はじめに
患者―看護婦関係が看護援助を行なう上での基本となるが,臨床実習の場面では,学生にとって患者と人間関係を確立することは難しく,援助関係を作れないこともしばしばである.それは,人間関係が希薄になったと言われる現代の学生たちにとって,看護の対象である患者を十分理解できないことや,臨床実習自体が学生たちに不安と緊張を与えていることが誘因となっているのではないだろうか.
今回,成人看護実習初期の段階で,実習開始時点で不安や緊張が高まっており,患者から援助を受け入れてもらえずに悩んでいる学生に関わった.対象理解の大切さと自己の振り返りを促しながら指導を試みたところ,患者の反応から学生の自己理解を促すことができた.教員,臨床指導者の関わりを振り返り,学生指導のあり方を考えてみたい.
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