調査・研究
「生活の援助」への看護学生の考え方の特徴に関する研究(第1報)―実習中の学生に評価モデルを適用して
正村 啓子
1
1熊本大学医療技術短期大学部看護学科
pp.296-301
発行日 1992年4月25日
Published Date 1992/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900373
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はじめに
臨床実習では,学生が行為の意味を考えながら対象の個別な生活を援助できるようにする必要がある.しかし,これまで臨床実習指導を行なってきた中で,学生は対象の状況によっては生活を整えることを意識から落としてしまったり,生活行動が自立している患者には看護することがないと戸惑ったり,毎日の看護が同じことの繰り返しになると退屈さや物足りなさを感じる状況によく遭遇してきた.看護は健康のあらゆる段階の人を対象に1~3),生活が健康的に整うよう援助する2,4)のであるから,学生のこのような状況は,生活の援助への考え方に問題があることが予想された.
生活の援助に関する研究の現状は,対象の状態に応じた技術の工夫や,教育においては技術や生活現象(単元)毎の教育方法の検討が多かった.そこでこの研究においては,実習中の学生の生活の援助への考え方が視覚的に把握できる評価モデルを考案・作成し,適用した結果,その有用性が確認でき,学生の生活の援助への考え方の特徴について1つの知見を得たので報告する.
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