NURSING EYE
学生の実習体験からみえた援助の根底にあるもの
吉留 厚子
1
1大分県立看護科学大学
pp.154-157
発行日 2001年2月25日
Published Date 2001/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902457
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ある国立病院の看護部長をされていたBさんが,「学生時代には患者さんとうまくいくのに,どうして看護婦になったらうまくいかなくなるのだろうか」と言う.この言葉には重要な意味が含まれているように思う.私も看護婦として勤務しているときに,どうしても患者との間が円滑にいかなかったことがあった.そのことは臨床の第一線から身を引いた今も思い出され,痛みを覚える.同様に,患者との関係がぎくしゃくした経験をもつ看護婦は多いのではないだろうか.看護者の仕事は患者を援助することであり,援助の根底には看護者と患者との関係がスムーズであるという条件が内包されていると思われる.患者の療養生活に関わる問題に発展する可能性もあるだろう.
学生時代にはうまくいっていた患者との関係が,なぜ看護婦として勤務するようになったらうまくいかないのか.ある学生の基礎実習での体験を通して考えてみた.
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