研究
学生の看護婦像に関する研究—第1報
高橋 章子
1
,
玉置 昭子
1
,
中島 紀恵子
2
1愛知県立看護短期大学
2千葉大学教育学部特別教科看護教員養成課程
pp.440-451
発行日 1972年10月15日
Published Date 1972/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200305
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はじめに
愛知県立看護短期大学(以下本学という)は3年課程(第一看護科,以下一看という)と,2年課程(第二看護科,以下二看という)の2つのコースを併設する他に例をみない単科の短大である。二看では准看の資格を取得し,高校を卒業してから入学してくる学生が2割,衛生看護高校卒業者が8割であるが,この課程の学生の大多数は,看護婦の資格を取得することを目的として本学に進学してくる。一看の学生は,大多数が高校においては普通科に在籍していたものである。彼らは,入学時においては,短大に入学することが第一目標であり,将来,看護婦資格を取得し,職業人として自立したいと考えているものが多いことが,入学時における調査によってわかっている。
一看と二看の学生とでは,臨床実習の受けとめ方にも大きなちがいがあることも,われわれの研究1)で明らかになった。たとえば,「看護独自の役割を確認した」に満足をしめしたものは,一看と二看の間に有意差がみられたことや,一看には,患者・看護婦・学生間の対人関係に満足感を示す学生が少なく,二看とは有意差があったこと,その他の項目でも,二看の学生が,現実の看護情況に関して,肯定的,受容的傾向があるのに対して,一看の学生は傍観的傾向があることなどである。
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