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はじめに
与えられたこのテーマに対して,ここでは最終学年次の臨床実習にしぼり主に,日本作業療法士協会で用いている全国的に統一化された実習学生の評価様式の成果について述べ,派生した問題点などをつけ加えていきたい.
立場上,日本作業療法士協会教育部長と作業療法士養成校教員の両方の側面で対応することになると思われるので,その点は御了承いただきたい.
昭和54年に,日本作業療法士協会教育部が発足し,その時に協会作成の実習指導報告書(実習成績評価)を各養成校に,統一して使用するように依頼文を出したのが,教育部長としての最初の仕事であったことを想い出す.
臨床実習(インターン)学生評価様式の統一化のこれまでの経緯のスタートは,昭和51年4月に協会長の諮問機関として設けられた教育基準設置委員会によってなされている.昭和50年4月に臨床教育の手引書が作成され,それに基づく臨床教育が行われれば,それに相応しい実習学生の評価が行えるのではないかという考えと,今まで各養成校が独自で研究作成した評価様式を,おのおのの実習施設が使用し,しかも複数の養成機関を受け入れている実習施設ではそれらの様式,基準,内容,方法などに統一化への一考の余地があるのではないかということが,きっかけだったと考えられる.この統一化の作業は,前述したように,教育基準設置委員会のメンバーにより着々と進められ,国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院,都立府中リハビリテーション学院(現在,専門学校),国立療養所近畿中央病院附属リハビリテーション学院の協力の下に,2年間の試行期間を経て,昭和54年の統一化に至っている.
臨床教育手引書作成,臨床実習(インターン)学生評価様式の統一化や,作業療法教育における授業要綱の作成(いずれも教育基準設置委員会により手がけられたものである)などの作業は,多くの関係者の協力と地道な努力を要するものであり,これまでこのような作業に関わってこられた方々に,深く,敬意を表するとともにそれらをより確かなものにしていく責任が,我々,一人一人にあることを痛感している.
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