特集 ‘性’に関する授業
基礎看護教育での‘性’に関する授業展開例
大谷 眞千子
1
1千葉県立衛生短期大学
pp.207-214
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900036
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はじめに
新カリキュラムにおいて,「精神保健」の内容の一部に性に関する教育内容が指定された1).この経緯について,カリキュラム検討会メンバーの一人は,「昭和42年の改正時に『看護の対象は人間であること』としたことを受けて,人間理解ということをさらに充実しようということにしました.特に人間理解のうえでも,いままでは体の面からの学習内容がずいぶんはいっていますが,人間の心の理解,性の理解の学習については十分でない面もありましたので,そのへんを改善しようとしました」2)と述べている.
従来は一般に生殖の性のみが強調され,母性看護学に委ねられることが多かったことを考えると,ある特定のライフステージを越えて,しかもSexualityとして性に関する全般的な理解を求めている点は大いなる前進といえる.この背景には,一般的にも性教育の必要性が定着し,その内容も充実してきたこと,性障害や治療の研究が進んだこと,性に関する看護の研究が増え,援助方法が具体化してきたことなどが考えられる.
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