——
授業展開の一考察
鎌田 ミツ子
1
1弘前大学医療技術短期大学部看護学科
pp.479-486
発行日 1978年8月25日
Published Date 1978/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908981
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
文部省主催による看護教育指導者研修の機会を得て,昭和49年9月から昭和50年9月までの1年間,東京女子医科大学看護短期大学で学んだ.この研修での主な目標は,1.自分を裸にして,大学で実践されている教育活動に参加し,看護学校における教育経験と比較しながら問題点を整理する 2.問題点をどのように解決していったらよいかを検討し,看護教育のあり方を学ぶなどであった.前半の6か月間は目標1に主眼をおき,大学で実践されている教育活動—看護学総論および成人看護学のサブコミッティのミーティングや講義・実習に,3年間のまとめとして行われる総合学習およびカリキュラムスタディなど—に参加し,後半は看護学総論に焦点をしぼって勉強するとともに,目標2についてまとめをしていった.
教育活動に参加し月日を重ねるにしたがって,過去数年間,自分は本当の意味での看護および教育の実践をしてきただろうか,人間を対象とする職業に自分は適していないのではないだろうかという不安と,今まで自分とかかわり合いのあった卒業生の顔が次々と思いだされ,本当に申しわけないという罪の意識にかられるなどして,随分悩むことが多かった.しかし,徐々に今までの自分を客観視できるようになり,素直にものの見方・考え方などを改ようとする姿勢になれた.また職業教育の厳しさ,尊さをひしひしと肌で感じるよい機会でもあった.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.