カリキュラム研究
カリキュラム改正に伴う教育課程(3年)の編成―教育理念に基づく看護学と病理学との関連
橋本 智子
1
,
能川 ケイ
1
,
佐近 マサ子
1
,
森下 久美子
1
,
梶田 初美
1
,
松居 博子
1
,
坪倉 繁美
1
,
寶毛 良子
1
,
山崎 千枝美
1
1兵庫県立総合衛生学院看護学科第一部
pp.215-224
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900037
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はじめに
今回のカリキュラム改正案が厚生省より提示された段階で,看護関係の各月刊誌に20年前の現行カリキュラム発足当時のことを回想した論文が多く掲載された.その回想の内容は,おおむね次のような意見で締めくくられていた.①健康教育,疾病予防,リハビリテーション,ターミナルケアといった包括的医療が主軸に考えられたカリキュラムとして出発したが,結局,それらの観点は重視されずにおわった.②看護の独自性,あるいは看護学の位置づけ等が重視されていたにもかかわらず,実際の運用では,他職種,特に,医学に関する知識偏重のカリキュラム傾向となってしまった等々1~3).
要するに,これらの回想の意味するところは,現行カリキュラムの理念が踏まえられず,理念だおれになってしまったことへの反省であろう.しかしながら,現実の教育の現場においては,考えて実践できる看護婦の育成を目標に,未来を展望した看護教育を日々考察し,実践努力の研鑽を重ねてきたことも事実である.
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