連載 看護教育に協同学習法を取り入れる・7
アセスメントの段階の授業展開
緒方 巧
1
1梅花女子大学看護学部
pp.966-973
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102542
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本誌8号では,「教育の質を高める学習方法 いまから始める協同学習」が特集されました。そのなかで,久留米大学の安永悟先生は,「教材研究にもとづいて授業を準備する際,学生の反応をイメージしリハーサルすること,そして授業への仮説をもちながらいかに修正していくか,そのプロセスをどれだけやっているかが,授業のストーリーづくりとして重要である」ことを述べておられます1)。この点について私の場合は,同号でご紹介したレクチャーシートを授業展開の検討に活用しています。しかし,安永先生の「どれだけやっているか」とのご発言にふれ,授業への仮説に油断なく,クリティカルに丁寧に取り組む必要性を再認識しました。
クラス集団に伴う学習意欲,理解力などのばらつきは,授業内容への理解・反応に格差をもたらします。それをどれだけ事前に予測し分析して準備をしておくか,まさに成果を左右する看護過程の看護計画立案と実施にも通じるポイントです。例えば,授業への仮説をクリティカルに検討する際,自分のなかでは「good!」「best!」と思い,はりきって教員仲間に伝えると,思いもよらぬ指摘やアイデアが返ってきて,おかげで仮説のqualityがグンと高まったという体験があります。同特集で創価大学の関田一彦先生が述べておられる「教師間の協同」が,まさにこのことだと実感します。関田先生は,協同学習に取り組む教員仲間を増やすことによって,「学生たちがさまざまな授業で協同学習を体験し始めると,自分たちで考え,自分たちで学び合う楽しさや学習効果に早々に気づいていく」と述べておられます2)。
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