特集 実習での学びの最大化
対話をとおして学びを深める実習をめざす取り組み―ルーブリック開発と活用/教員・指導者の協働学習会における学生指導シミュレーション
奥野 信行
1
1京都橘大学看護学部
pp.184-192
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202227
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はじめに
臨地実習は、看護職者が行う実践のなかに学生が身を置き、看護職者の立場でケアを行うこと1)であり、その過程において学生は、学習活動を展開しつつ、看護実践に必要な基礎的能力を修得します。看護教員(以下、教員)は、実習プロセスにおいて、個々の学生が実習目的・目標をどの程度達成できているのかを評価し、その結果にもとづき、最適な教材の選択、学生への指導や助言、フィードバックといった教授活動を遂行しつつ、学生が自己の行動を改善できるように学習支援を展開しています。また、授業とは、「学習目標達成に向け、教材を媒介にして知識や技能を獲得し、精神的・身体的諸機能を自己形成していく過程」2)であり、臨地実習においても、それらを段階的かつ適切に評価することによって、学生は目標を達成し、看護の専門家としての自己を形成していくことが可能になると考えます。
近年、授業実践の柱となる視点として「主体的・対話的で深い学び」3)が位置づけられています。臨地実習が授業の一形態であることをふまえると、このような学びの主体性、対話、深さが重要であることは言うまでもありません。本稿では、臨地実習における学生の主体的で対話的で深い学びの実現に向けた本学や筆者の取り組みとして、①対話のツールとしての実習評価ルーブリックの開発と活用、②対話の機会づくりとしての協働学習会における学生指導シミュレーションについて紹介します。
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