特集 統合実習は“統合”されているか?
統合実習で何を“統合”するか─探究をとおして学生が学びを統合するということ
水戸 優子
1
1神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部看護学科
pp.780-786
発行日 2018年9月25日
Published Date 2018/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201075
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総合実習から統合実習へ,何が変わったのか
2009(平成21)年のカリキュラム改正を受けて,筆者が所属する神奈川県立保健福祉大学(以下,本学)では,総合実習から統合実習へと科目名を変更した。ただし,実習目的・目標,方法のいずれもほぼ変更はしなかった。それは2003年に開学した本学では,その教育理念や教育方法において時代を見据えたカリキュラムを構築し,総合実習についても統合実習がめざすところを先取りしていたためかもしれない。
とはいえ,筆者は,科目名を変更し,「統合」という言葉が含まれた以上,その意味を忠実にとらえた実習を行いたいと考えてきた。また,筆者自身も1967(昭和42)年からのカリキュラムにおいて総合実習を経験し,しかも,現在本学が行っているテーマ探求型の実習であったことから,なおさら総合実習から統合実習へと何が変わったのか,何を統合するのかを考えた。筆者自身の総合実習の経験は,今でも鮮明に覚えているほどに辛い実習経験であったのだが,今日の自分の看護観,教育観に大いに影響を及ぼしたのは確かであり,そのため,学生の統合実習が将来にわたり有意義な実習であってほしいと思う。
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