特集 看護技術の効果的な習得をめざして
看護技術(運動技能)の教授方略のデザイン原則に基づいた授業実践
豊場 沢子
1,2
1独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院
2前 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院附属看護専門学校
pp.617-623
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201763
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看護技術の教え方への問い
筆者は、2020年度まで看護師養成所(3年課程)で「基礎看護学」を担当し、1・2年次を対象に看護技術の方法論の授業科目を指導していた。そこで、ベッドメイキング、無菌操作、バイタルサイン測定、口腔・鼻腔からの一時的吸引、点滴静脈内注射など、日常生活援助技術および診療の補助技術について、さまざまな看護技術を教える機会を得た。
もともと、看護技術の授業の流れは、看護技術の方法とその根拠となる知識を講義し、その後、実技について、デモンストレーションを行い、一斉に練習するという授業形式をとっていた。よりわかりやすくする工夫として、講義では、看護技術の根拠や実施の際の留意点などを、視聴覚教材を用いて詳しく解説するようにしていた。実技部分では、練習のポイントを明確に指示し、他の教員にも授業に入ってもらい、それぞれ何人かの学生を担当し、練習時の助言や、やってみせるといった方法をとった。筆者自身が受けてきた授業も、これまで見てきた授業もだいたい似たような進め方で、その他の授業方法は思い当たらなかった。
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