特集 災害看護教育の現在 東日本大震災から10年を経て
看護系大学教員としての震災体験を振り返って
吉田 俊子
1,2
,
高橋 和子
3
1聖路加国際大学大学院看護学研究科
2宮城大学
3宮城大学看護学群
pp.214-220
発行日 2021年3月25日
Published Date 2021/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201682
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東日本大震災からもうすぐ10年を迎える。この間でもわが国においては大規模な災害が発生しており、災害によってもたらされるさまざまな状況は、健康問題の発生や長期化に直結している。
東日本大震災では、震災関連死を含め2万人以上が死亡・行方不明者となり1)過去最大級の被害を受けた。多くの悲しみにさいなまれ、さらに生活環境の変化による抑うつ・不安、身体活動性の低下、慢性疾患の悪化などの健康被害が発生し、産業・生活区域の喪失など社会的要因はさらなる健康状態の悪化をきたした。震災後の健康状態を保つには、個々の状況を把握しつつ、自己管理教育を行っていくことが求められるが、震災後のさまざまな生活要因が複雑に絡み合うため、状態把握を困難としている状況があった。
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