特集 病院トップマネージメントを考える
私の院長体験を振り返って
中島 達雄
1
,
山本 敬
2
,
諸橋 芳夫
3
,
藤原 拓士
4
,
牧 安孝
5
,
今井 澄
6
,
伊藤 研
7
,
下司 孝麿
8
Tatsuo NAKAJIMA
1
,
Kei YAMAMOTO
2
,
Yoshio MOROHASHI
3
,
Takushi FUJIWARA
4
,
Yasutaka MAKI
5
,
Kiyoshi IMAI
6
,
Kiwamu ITO
7
,
Takamaro GESHI
8
1総合水沢病院
2社会福祉法人衣笠病院
3旭中央病院
4医療法人水和会総合病院水島中央病院
5牧病院
6諏訪中央病院
7医療法人大雄会
8下司病院
pp.119-130
発行日 1984年2月1日
Published Date 1984/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208233
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地域医療への思いが支え
院長就任とこれまでの経緯
私が院長(市立水沢病院・一般180床,結核26床)に就任したのは,昭和37年7月,37歳の時であった.内科長,副院長から昇格し,地元医師会の理事,福祉事務所嘱託医,岩手県国保審査会委員等の経験があるとはいえ,人事管理や財政の知識はなく,自分は臨床医として育ってきたため,大衆を相手にしたり,管理的な政治的な仕事は不向きであると思っていたので院長就任に抵抗した記憶がある.しかし,事務長に事業・財政・市政のベテランをつけるという説得と,大学医局からの勧奨があり,引き受けざるを得ない状態であった.医療を通じて職員や住民と接しているうちに,いつの間にか院長に推挙されていたというのが実感である.
院長就任に当たって,ひそかに心に決めていたことは ①自分なりに精一杯やること ②医局員はじめ対人関係には誠意をつくす ③できるだけ個人的欲を抑えるということであった.
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