特集 看護教育における効果的なOSCEの実施
OSCE導入の経緯と改善のポイント―フィジカルアセスメントOSCEを例として
広瀬 会里
1
,
尾沼 奈緒美
1
1愛知県立大学看護学部
pp.744-750
発行日 2019年9月25日
Published Date 2019/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201320
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はじめに
愛知県立大学看護学部(以下、本学)では、看護の基礎教育を重視し、科学的な根拠に基づく確かな知識と専門技術を修得し、高い実践能力と的確な判断力の育成を行うとともに、高い倫理観を有し、主体的に行動できる人間性豊かな看護専門職業人を育成することを目的としている。その実現のため、4年次の履修科目に「看護学統合演習」を配置、実施している。これは、今までに学習した専門的知識・技術・態度を統合して、卒業前の看護実践能力の確認、定着を図り、看護実践の総合的能力を高めることをめざすものである。
看護学統合演習の内容は、2009年度のカリキュラム改正で設定された科目「看護の統合と実践」が土台となっている。この科目は「卒業前の看護実践能力の確認、定着を図り、卒業後に進むべき看護専門分野への動機づけを図る」ことを目標に、各看護学分野の全教員が連携を図り、プロジェクトチームを立ち上げて構築したプログラムであった。プログラム構築の際には、表1の3点を重視して検討した。
2013年度の改正で、この科目の内容に複雑な課題(多重課題)を組み込んで再構成し、科目名を「看護学統合演習」とした。このプログラムを6年間実施した成果をふまえて演習計画を整え、2016年度から新たな「看護学統合演習」(1単位、30時間)として行っている(表2)。
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