特集 看護教育をとらえる新たな発想 コンセプト・ベースド・カリキュラム
コンセプトにもとづいた学習で「看護師のように考える」を支援する①─臨床のリアルを追求した紙上事例の取り組み
奥 裕美
1
1聖路加国際大学
pp.1048-1053
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201137
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コンセプトを基盤にした学習活動(CBLA)との遭遇
2017年3月,オレゴン健康科学大学看護学部(Oregon Health Science University, School of Nursing,以下OHSU)を訪問した。OHSUは「看護師らしい思考(Thinking Like a Nurse)」を示した臨床判断モデルを主軸にした教育を実践しており,実際の授業や演習がどのように行われているのかを知ることが訪問の目的であった。おもしろい工夫や新しい教授方法はないかと授業に参加したり,インタビューしたりしていた際,「これは知っている?」と紹介されたのが,コンセプトを基盤にした学習活動(Concept Based Learning Activities,以下CBLA)であった。
米国でも,看護学生が学ぶコンテンツ(内容)は増える一方で,カリキュラム改革の必要性が指摘されている。あれもこれもと知識を詰め込む看護教育では,学生はもちろん,教員も幸せではいられない。そこで,そうした状況から脱却する方法としてOHSUではCBLAを導入したのだと説明を受けた。
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