特集2 看護教育におけるコンセプト学習の可能性
―コンセプトの持つ力とは①―近年の世界の教育を捉え直す枠組みコンピテンシーとコンセプト学習
遠藤 みゆき
1
1関西学院大学教職教育研究センター
pp.306-312
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950660030306
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
コンセプトの世界との出会いと指導実践の変容
筆者は、国内で教員としてのキャリアをスタートさせた後、海外の教育に関心を抱き、その関心から留学を経験し、インターナショナルスクールでの教育実践に携わるようになった。現在は大学で国際バカロレアプログラム注1(International Baccalaureate、以下IB)教員養成に携わる一方で、コンセプトベースの教育については、これまで実践的な論考を重ねながら、教育学的な観点からも継続的に探究している。
このような経緯の中で、筆者がコンセプトの世界に足を踏み入れる契機となったのは、海外のインターナショナルスクールでIBプログラムの「言語A注2」の教科を担当したことがきっかけだった。IBのディプロマ・プログラム(Diploma Programme、以下IBDP)は、高校2〜3年次に相当する教育課程で、世界共通の試験に向けて学習を進める。その試験の土台になっているアプローチの1つが、コンセプトベースである。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.