特集 インストラクショナルデザインを活かす
インストラクショナルデザインを看護教育に取り入れることで得られたこと
豊場 沢子
1,2
,
都竹 茂樹
2
1JCHO中京病院附属看護専門学校
2熊本大学教授システム学研究センター
pp.27-31
発行日 2018年1月25日
Published Date 2018/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200899
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インストラクショナルデザインに出会う前の私の葛藤
看護師を経て,看護教員養成課程での研修後,所属施設の看護師養成所へ教員として異動となった私(豊場)は,研修で学んだ授業案作成のプロセスにもとづいて授業に取り組んだ。その後は,看護教育界の動向,自組織で採用された教育・学習に関する考え方を参照しながら,担当科目の授業の在り方や授業方法を検討,試行錯誤してきた。ただ,教育に関する新たな考え方やキーワードを耳にすると,自身の実践する授業はどうなのか,これでよいといえるのかと不安になり,自信をもつことができなかった。また,多様な教育・学習に関する考え,方法を見聞きし,時には教育方法の妥当性について違和感があったが,その理由は説明できなかった。
授業案作成過程で学習内容を考える際,シラバスに掲げた内容,国家試験の出題傾向や教科書にある内容,実習場面で出会いそうな内容など,どれくらい盛り込むのか,考えれば考えるほどやらなくてはならないことが増え,整理に困っていた。しかし,授業で取り扱わないと教えなかったことになると考え,とにかくどれもこれも押し込んだ。その結果,一方的に話し,資料をさっと提示して終わったこともあった。今振り返ってみると,学習者を置き去りにした独りよがりの授業ではなかったかと感じている。
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