特集 学生とつくる授業 学生がつくる授業
学生が主体的に動くことで,授業はどう変わるのか
甘佐 京子
1
,
米田 照美
1
1滋賀県立大学人間看護学部
pp.716-722
発行日 2017年9月25日
Published Date 2017/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200822
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はじめに
滋賀県立大学(以下,本学)は,1996年に開学し,昨年20周年を迎えた。工学部,環境科学部,人間文化学部,そして人間看護学部の4学部をもち,「キャンパスは琵琶湖・テキストは人間」をキャッチフレーズに,県立大学として地域における知の拠点となるべくさまざまな取り組みを行っている。その根底には大学の理念にもある「人が育つ」大学として,夢をもって自主的に学び,互いに力を合わせ,競い合い,高め合っていく学風を培ってきた歴史がある。
ところで,上記の「自主的」「主体的」という言葉は類似概念であるが,その違いは何なのだろうか。辞書によれば,自主的とは「他からの干渉や保護を受けないで,自分で決定してことを行うさま」1)とあり,主体的とは「他に強制されたり盲従したりせずに,自分の意志・判断に基づいて行動するさま」2)とある。厳密にいうと,主体性には自己の判断にもとづく行動に対し「責任」を負う姿勢も求められるということである。
“自主的”にとどまらず,“主体的”な学習者の育成は,私たち教育に携わる人間にとって永遠の目標といっても過言ではない。本学でも,その目標に向かって日々試行錯誤を繰り返しているところではあるが,その教育理念にもとづいた,「学生が主体的に動く」講義・演習について,大学全体の取り組み,および人間看護学部における教育実践について紹介したい。
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