特集 さぁ,臨床判断モデル
臨床判断モデルを看護基礎教育で用いるアイデアとシステム
三浦 友理子
1
1聖路加国際大学大学院看護学研究科看護教育学
pp.708-715
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200583
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現状の課題の整理
4年前,臨床判断モデルと初めて出会ったときの期待感を今でも覚えている。看護師は確かにこのように考え実践につなげていると,自分の実践に重ね合わせ感じたのだ。そしてこの思考ができるような教育を展開することで,看護教育にまつわる諸課題を打開してくれるのではないかという希望を抱いた。
「看護教育の内容と方法に関する検討会報告書」1)では,看護師教育の現状と課題が提示されている。ここには,学生の学習レディネスの多様化,主体的な学習がしにくくなっている状況,カリキュラムの過密化,学生が受け持つことのできる対象者の制限,思考プロセスに偏重した実習教育,課題が多いため,“こなす”学習になっていることなどが指摘されている。
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