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特集 実践科学としての看護学のための理論
第I部 一般理論
カンファレンス"看護における科学の本質"
看護のための理論・モデル・システム
Theories, Models, and Systems for Nursing
Rose McKay
1
,
明石 辰子
2
1University of Colorado School of Nursing
2国立がんセンター病院外科病棟
pp.253-262
発行日 1970年7月15日
Published Date 1970/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200191
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看護婦は,誠実さ,理解力,熟練した技術をもって行動するものである。看護婦が誠実さをもって行動するとき,看護という職業によりて形成された価値体系にかなった行動をしているといえる。また,理解力をもって看護行為を行なうとき,ある根本的理由を見分けるのに必要な知識を得たり,自分の行為のあらゆる結果を予測しうるのである。看護婦が熟練した技術をもって看護行為をしたときは,看護婦はその行為の目的と結果の間に高度な関係を持つことができる。
職業的実践は,信ずること,知ること,そうして行なうことの組み合わさったものである。価値体系は,その源を哲学・倫理・宗教に発している。知識は科学から生まれるが,実践の方法は少なくとも部分的には人間間の微妙な相互作用から生ずるものである。看護は,すべてが科学ではなく,道徳的,審美的要素を無視することができないことは明らかである。一つの職業が発展するにつれて,三つの領域に変化が表われる。すなわち,価値仮説が再定義され,知識が広げられ,技術が完成されるということである。しかし,職業的実践を実あるものにするのは,知識の修得と知識を有意義なパターンへと組織化することである。看護サービスの性質は,実践者各個人の知識に関係があり,看護婦がただ経験をつむということだけでなく,広範な理論体系の開発に貢献するときに,理解力はいっそう高まるのである。
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