日本看護診断学会第4回学術大会報告 看護診断の発展をめざして
【パネルディスカッション】
ロイ適応看護モデルを用いて
佐賀 亮子
1
Ryoko Saga
1
1筑波記念病院
1Tsukuba Memorial Hospital
pp.62-69
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100037
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ロイは人間を適応システムであるとしている.システムとは全体を形成するために,関係づけられた要素の集合体であり,絶えず変化する環境と相互作用しながら平衡を保っている.開放系である生命体システムは自ら動き,適応し,生殖し,成長するという特質をもっている.適応とは肯定的(生産的,前向き)な対処状況であり,目的をもって進行するプロセスと考えている.ロイは人間がもつ対処能力を強調し,看護は他者の意見や見解に価値をおく人道的アプローチをとる.
図1は外的・内的刺激がインプットされ対処機制が働き,アウトプットされた行動は4つの適応様式に関連していることを示す.行動はその時点での適応レベルを表し,絶えず刺激としてフィードバックされ新たな行動を生み出す.図2は4つの適応様式の関連しあった状態(刺激のプール)から,行動がフィードバックされ変化していく事例を表している.行動は適応行動,非効果的行動からなり,適応行動とは人間システムの目標である生存,成長,生殖,円熟に導いていく行動である.
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