連載 “医療安全力”を育むリスクアセスメントトレーニング・Training 9
“なぜ・なぜ”分析でリスクアセスメント力を育む!
斉藤 奈緒美
1
,
石川 雅彦
1
1公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
pp.82-88
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200086
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今後,求められる医療安全教育
医療現場には,本連載のTraining 7 1)でも述べた,1)緊急かつタイムリーに対応せざるを得ない状況が突発的に発生し,変化し続ける,2)限定された空間で,チームとして安全で最良のパフォーマンスを要求される,3)対応や判断のエラーが生命の危機に直結しかねない,などの特徴があり,エラー発生の可能性が予測される。
これらの状況に適切に対応して,安全で良質な医療を提供するため,1)のように,“緊急”“突発的”“流動的”などの状況下では,臨床経験や知識に基づく適切な状況判断力が求められる。2)の“チーム力”についても,手術室や検査室などの限られた空間で,休日や夜間は限られた職員で対応する必要があり,適切な対応を実施するためチーム力の発揮が望まれる。さらに,3)の“判断・対応のエラー”が発生した場合に,患者・家族側,医療側双方にどのような影響を及ぼすのかということを理解した上で対応できることを可能にする医療安全教育が重要となる。
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