増刊号特集3 医療安全 New Perspectives
ハンドオフ・コミュニケーションを標準化する―SBARの戦略的活用
石川 雅彦
1
1東京医科大学 医療安全管理学講座
pp.728-732
発行日 2011年7月26日
Published Date 2011/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102146
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臨床現場におけるコミュニケーションの課題
医療機関において看護師と医師がコミュニケーションを図る場合,一般的に看護師はナラティブなアプローチを用いる傾向があることに対し,医師は焦点を絞ったアプローチで問題を見極めて,その解決を図ることをめざし,限られた時間で診断や治療に直結する情報を聞き出そうとする傾向がある1)。
医師は,その業務の特徴から,患者の最大の問題点は何か,自分にどういうことをしてほしいのか,自分に何ができるのかということに焦点をおいたコミュニケーションをとることが多い。このようなコミュニケーションにおけるアプローチの違いに加えて,性別や文化,記憶の制約,疲労,ストレスなどの個人に関わる要因が影響することで,コミュニケーションエラーが発生する可能性がある。
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