特別記事
―臨地実習に活用する医療安全トレーニング・前編―コミュニケーションエラーによるインシデントの防止―看護基礎教育における“SBAR”活用の可能性
石川 雅彦
1
1日本医療安全研究所
pp.970-975
発行日 2010年11月25日
Published Date 2010/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101607
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はじめに
臨地実習において看護学生が関与するインシデント・アクシデント事例の発生は,患者への影響だけでなく,当該学生の精神的動揺や学習効果,ひいては将来性にまで影響しかねない出来事である。また,臨地実習で指導を担当する教員にとっても指導者としての責任や,当該学生への支援などの負担が考慮される。このため,臨地実習におけるインシデント・アクシデント事例の防止は,各看護教育施設や看護教員の方々にとって大きな課題であり,再発防止および未然防止のさまざまな取り組みを実践されていると思われる。
そこで,今回,臨床で取り組まれているインシデント・アクシデント事例の再発防止および未然防止のための取り組みを参考に,臨地実習におけるインシデント・アクシデント事例の発生を防止するために,活用可能な実践的医療安全トレーニングを紹介したい。本稿(前編)「コミュニケーションエラーによるインシデントの防止」では,臨地実習において看護学生が関与するインシデント・アクシデント事例発生の課題と“SBAR”について紹介し,次稿(後編12号掲載)「“SBAR”でコミュニケーションスキルアップ!」では,トレーニングの実際と指導のポイントについて提案する。
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