連載 二人三脚の闘病記・4
生きる意欲
我妻 令子
pp.398-402
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921696
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術後しばらくの間は,洋の容体を気遣っていただいている方々にも,お見舞いはご遠慮くださるようお願いいたしました.字の乱れがなくなり思考力がはっきりするまでに,術後2週間位かかりました.この時メモに書かれたものがあります.
腫瘍が,声帯につながる神経を巻き込んでいたので,手術の時にそれを取り除くために,神経をいじった.そのために気管が閉じてしまう(なぜかぼくにも不明).反射がおきたのでノドに穴をあけて,そこで呼吸をしています.気管は徐々に開いて元に戻る(その時ノドの穴,およびチューヴは除去),他方.声帯は術後使っていないので しわがれており,この声が戻るのに個人差あり.ぼくのばあい非常に早かった.呼吸はノドの穴でしており,ふさぐと息が口に出て声が出る.これから,ジビインコー科の先生の指示に従うので,ぼくにもよくわからないが,手で押さえなくても,はく息だけ,口へ抜ける「弁のついたチューブ」に代わるものかも知れない.
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