特集 さまざまなアプローチによるリフレクション
授業改善のためのリフレクションを支援するツールや手立ての活用
大山 牧子
1,2
1大阪大学教育学習支援センター
2京都大学大学院教育学研究科
pp.197-203
発行日 2014年3月25日
Published Date 2014/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102643
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何のためのリフレクション?
教員が授業を改善する方法として,以前は,厳密に「良い授業はこうあるべき」という唯一解が存在し,そのような外部からの情報が大きな支えであった。それに対して,ここ20年の間に,授業改善には,教員が自らの授業を自分自身で捉え直す「リフレクション」を活用し,省察的実践家1)として改善を図る方法が主流となってきた。さらに近年では,ブームともいえるほど,リフレクションの要請は加熱してきており,ふり返りの重要性が周知されてきた。ただし,少し立ち止まって考えてみたい。リフレクションの先には一体何があるのだろうか。また,教員は何を対象としてふり返っているのだろうか。リフレクションのブームが起きている一方で,その実情はブラックボックスのままであることが多い。
本稿では,大学教員が授業を改善するためのリフレクションという行為について,そのステップを示したうえで,リフレクションを支援するツールや手立てを紹介する。ここでの話は,大学教員を対象としているが,大学教員のみならず,教育のための訓練を受けてきていないという意味では専門学校など高等教育機関の教員全般にも共通すると考えられる。
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