教育トピック
授業の改善(2)—教科書の活用
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.54-55
発行日 1966年10月1日
Published Date 1966/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905714
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先日,ある県の私立中高校の先生方の研究会に出席する機会があった。小人数の集まりであったので,講演のあと自由な話し合いが行なわれたが,そのなかで,高校の化学の先生の話されたことが印象に残っている。その先生の話というのは,ちぢめていうと次のようなことである。
「毎日の授業で生徒の学力の低いのに悩まされている。生徒のなかには,そもそも高校へ入学するのが間違いではないかと疑われる者さえいる。こういう生徒に対して授業の効率をあげるにはどうしたらよいだろうか。もちろん,プログラム学習やテーチング・マシンを使えばよいことはわかるが,それはすぐには役立たない。わたしたちは毎時間短いテストをするという方法をとっているが,それでも教科書を家で予習してこない者がいる。せめてその日授業のある所を教科書で読んできてくれればと思うのだが……。」
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