特集 患者の思いを引き出して支え,力を高める意思決定支援
意思決定支援に役立つツールとその活用のポイント
井上 泉子
1
Motoko INOUE
1
1NTT東日本関東病院/がん看護専門看護師
pp.135-140
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_135
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はじめに
がん患者の意思決定の際,治療や療養場所の選択だけでなく,治療に伴う生活や仕事への影響などさまざまな場面で選択を迫られる.専門的な知識がなかったり,医療を受けた経験の少ない人々にとっては,自分で得た情報や医療者から提供される多くの情報から適切なものを選んだり整理したりするのはむずかしい状況である.
患者が納得して治療や療養に臨むためには,治療や療養などの決定に患者自身が積極的に参加することが大切となる.意思決定支援ツールは,治療や療養に関する意思決定において,患者の参加を促す役割があり,また意思決定支援ツールを用いることで,情報の整理や理解につながる.医療者側も説明や面談時に積極的に意思決定支援ツールを活用し,患者が納得して選択できるよう支援することが望まれる.
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