特集 さまざまなアプローチによるリフレクション
日々のふり返りを積み重ね,リフレクションを深化させよう
田村 由美
1
1滋慶医療科学大学院
pp.190-196
発行日 2014年3月25日
Published Date 2014/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102642
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看護教員は常にリフレクションをしている?!
「授業」は「教える」という実践活動そのものである。だから,看護教員がリフレクションするのは自分の授業に関してである。看護教育の授業とは,教室での講義や演習と臨床現場での実習である。看護教員は,これらの授業実践を通して学生が看護専門職になる基礎的知識,スキル,態度(価値)を育成し,卒業後看護実践家として成長することを願っている。したがって,看護教員が自分の授業をよりよくするために自分の行った授業をふり返ることは特別なことではない。その意味で,看護教員は常にリフレクションをしているといえる。
さらにいえば,教員は授業を計画し(授業案づくり)実践するが,いつも案通りにうまくいくとは限らない。うまくいったりいかなかったりで,うまくいかなかったときは授業の後,しばらく考え込む,そんな経験は誰でもあるだろう。この考え込むことが授業リフレクションの中核となるのである。その授業は1回限りでやり直しはできないので,授業リフレクションは単に「あのときこうすればよかった」的な反省では意味がないし,授業者である自分が前向きに授業改善に取り組むようになればよいというものでもない。「反省」が自責の念や後悔につながり,前向きな学びには至らない場合は,看護教員が常にリフレクションしているとはいえないともいえる。
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