特集 「狙い」に合わせたシミュレーション教育の方法
看護基礎教育におけるシミュレーション学習プログラムの設計と実践―シナリオ設計時のポイントと学生の学びを導く関わり方に焦点をあてて
藤原 史博
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.361-367
発行日 2013年5月25日
Published Date 2013/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102383
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はじめに
看護基礎教育におけるシミュレーション教育は,学内でありながら疑似的に臨床の状況を再現でき,状況に則した経験的な学習を可能にすることから関心が高まっている。実習をはじめ現実の臨床では通常許されない“失敗”を許容できることや,同じ状況を繰り返して再現することが可能になるために,ベッドサイドならではの学習機会を提供することができる。一方シミュレーション教育では,動的な“学生による実践”を学習の素材とするために,教員による事前の予見が困難である等,看護基礎教育のなかで展開するに際しては相応の困難や課題があることも事実だ。
こうした実情があることを前提にしながら,本稿では実り豊かな看護シミュレーション教育を展開するための実際的な方略について,次に示す表1のプロセスに沿いながら紐解きたい。
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