連載 「教え方」の本を読む!・1【新連載】
教える側の押し付けによって学ぶ側の独立を促す―『人も自分も成長できる「教える技術」の鍛え方』
重松 豊美
1
1甲南女子大学看護リハビリテーション学部
pp.58-62
発行日 2011年1月25日
Published Date 2011/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101660
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教育は「強制と自律の兼ね合い」
私は,3年間臨床で看護師として働いた後,A大学で基礎看護学の助手になりました。基礎看護学ですから,まず,最初に教員として学生に関わることを求められた場面は,看護技術の演習でした。看護教員として,学生に看護を教える立場になったものの,教職免許を持っているわけではなく,「教育」ということを専門的に学習したこともありませんでした。そのため,学生に何をどのように,どのタイミングで教えればいいのかなど,戸惑いの連続でした。
今回,私が読んでみた本は,樋口裕一著『人も自分も成長できる「教える技術の鍛え方」』です。「ダメ教師だった私が,カリスマ講師になった秘訣」とやらを公開してくれるとのことで,早速,手にとってみました。この本は,第1部:「少数の人に対する効果的な教え方とは」,第2部:「多数の人を教える場合,気をつけること」の2部で構成されています。
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