書評
看護現場で「教える」人のための本—教える側と教わる側のミスマッチを防ぐために
陣田 泰子
pp.58
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202068
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「共育」を通してチームで「看護の探究」へ
かつて誰もが通った道であるにもかかわらず,多くの人が忘れてしまうのが,新人看護師だった時の自分である。「迷惑をかけてきたあの時があるからこそ,今の自分がある」ということを忘れなければ,著者の言う「教える側と教わる側のミスマッチ」の多くは消えていくのに……。そんなことを考えながら読み進めた本書は,「看護現場学」を提唱する私にとって,興味深い内容だった。
本書は,荒波のように絶えず動き続ける現場の真っ只中で起こっている出来事(現象)から学ぶという,いわば帰納的学習法に基づくものであり,コロナ以後の時代における看護教育の変わるべき方向性を示唆していると私は受け止めた。
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