Scramble Zone
臨地実習における看護学生のインシデント発生要因
神野 美子
1
,
白石 佳奈恵
1
,
渡部 京子
1
,
赤塚 隆子
1
,
岸田 佐智子
2
,
石橋 薫
3
1国立九州循環器病センター附属鹿児島看護学校
2国立療養所福岡東病院附属看護学校
3国立療養所長崎病院
pp.722-727
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903914
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現在の医療現場は,新しい医療機器・技術・薬剤の導入により,看護にも新たな知識や技術が要求される.また,患者のリスクやニーズが複雑になり,医療は多様化・高度化し,看護職員に求められる実践能力は増大している.このような中で,医療事故・インシデントレポートが数多く報告されるようになり,その原因も明確になってきている.しかし,看護学生の実習中の事故についての報告は少ない.看護職としての專門性や倫理性が厳しく求められている今,卒後教育のみならず,基礎教育の段階から看護・医療事故防止の知識・技術を習得していく必要があると考える.
当校の学生も,重症患者や緊急入院患者の増加,在院日数の短縮による1日の入退院数の増加により,指導者の業務密度が高い現場で実習している.実習中の状況をみると,実際「ヒヤリ」や「ハッ」とするような出来事が起きている.実習中に学生が「ヒヤリ」「ハッ」としたことは報告書に書かせてきた.しかし,何が問題だったのか,どのように対応すればよかったのかについて考えさせ反省するだけで,学生のインシデント発生要因について明らかにしていなかった.そこで,当校の実習中のインシデント発生の要因を分析することで,今後の基礎看護教育に生かしたいと考えた.分析するにあたっては,和賀ら1)の研究で明らかにされた看護・医療事故の構造を用いることにした.
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