特集 「対話」がひらくリスクを超えた関係
インシデントレポートを有効に活用するために
赤山 美智代
1
,
山本 智美
2
1日本赤十字社医療センター
2聖母病院
pp.500-505
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100540
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はじめに
リスクマネジメントは,事故の発生を防止するだけではなく,事故発生時,事故発生後を一連の流れの中で考える取り組みであるとされている。
この取り組みでは,「危ないと思う感性」と「いったん立ち止まる習慣」を,「教育」と「組織風土」で育てることが課題である。この課題を達成するためには,危ないと思えるものを見つけ出すシステムを作り上げることも重要となる。
筆者らは,助産の責任者であり,リスクマネジャーでもある。したがって,「危ないと思う感性」と「いったん立ち止まる習慣」を,「教育」と「組織風土」で育てることは,筆者らの役割であり,重要課題であると認識している。
筆者らは,本特集で執筆の機会を得たことから,周産期領域におけるリスクマネジメントについてあらためて考えることにした。ここでは,インシデントレポートを中心に据えて,インシデントレポートから,「教育」と「組織風土」を育てるためにどうすべきか,筆者らが自主的に行なった学習会で話し合った内容について述べたいと思う。
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