研究報告
―医療観察法病棟勤務スタッフ830人に調査―ディブリーフィング実施の現状
岩本 真理
1
,
冨田 雄一郎
1
,
江口 三貴
1
,
小久保 知由起
1
,
齋藤 香里
1
,
水野 晃靖
1
,
神 貴哉
1
,
奥井 真弓
1
,
小久保 吉浩
1
1独立行政法人国立病院機構東尾張病院
pp.68-74
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101031
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暴力に特化したリスクマネジメントが求められる「医療観察法」病棟
2005年7月15日、「心神喪失の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(医療観察法)が制定された。医療観察法は触法精神障害者に対して適切な医療を保障するとともに、社会復帰のための支援を提供するものである。
医療観察法に基づいた指定入院医療をおこなう病棟にいる治療者は、一般的な医療安全管理と併せ、衝動性や暴力に特化した安全管理をおこない、プランを策定する必要があるとされている。しかし、多職種でリスクマネジメントを画策しているものの、治療および回復の過程で、患者間、または患者と医療者のあいだで、暴力が発生するケースは免れない。特に看護師は、暴力の現場に立ち会う可能性に加えて、暴力の対象となる可能性も高い。
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