特集 災害看護教育に生きたシミュレーションを─震災に焦点をあてて
災害看護教育におけるシミュレーションの役割
山田 百合子
1
1独立行政法人国立病院機構災害医療センター附属昭和の森看護学校
pp.168-173
発行日 2012年3月25日
Published Date 2012/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102014
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はじめに
2011(平成23)年3月11日14時46分,三陸沖を震源としM9.0震度7の地震が発生した。今までにない大規模な地震のうえに津波の被害と福島の原発事故の被害が重なり,身をもって災害訓練や災害看護教育の必要性を体験された方も多いことであろう。
当校は母体病院が災害医療センター(455床,災害時900床)であり,国の災害拠点病院として厚生労働省のDMAT事務局がある。14時50分に病院の対策本部と同時にDMAT事務局が立ち上がり,12日間不眠不休の活動が続き,全国のDMAT380隊,1800人の被災地での災害医療救援体制を指揮・統括した(写真1)。私自身,身近に事務局の活動を見たり,また当院から派遣されたメンバーの活動報告を聞いたりし,改めて災害看護教育のあり方について考えることができた。
当校の災害看護教育は,1年次から教科外も含めてスタートする。1年次から災害看護の全体像をイメージさせ,母体病院の災害訓練に参加することで,急性期の災害看護を体験を通して学んでいる。3年次の災害看護の演習では,全員が心肺蘇生やトリアージが実践できるなど災害看護に必要な技術の習得を目指している。この3年間の災害看護教育のなかで臨場感あるシミュレーションの果たす役割が大きい。当校の災害看護教育の一部を紹介し,これからの災害看護教育の参考にしていただければ幸いである。
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