特集 都立看護学校7校の新カリキュラムへの取り組み―課題に対する基本方針
新カリキュラムが求める技術教育とは
齊藤 茂子
1
,
高橋 順子
2
,
加藤 奈保美
3
,
白尾 久子
4
,
熊谷 祐子
5
1都立板橋看護専門学校
2都立青梅看護専門学校教務係
3都立広尾看護専門学校教務係
4都立南多摩看護専門学校教務係
5元都立荏原看護専門学校
pp.490-496
発行日 2008年6月25日
Published Date 2008/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100935
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はじめに
近年,基礎教育におけるさまざまな報告書や通達において,新卒看護師に対して臨床現場で求められるものとのギャップがあることや,卒業時一人でできる看護技術が少ないこと,複数受け持ちや複数作業の同時進行での遂行能力不足が指摘されている。また,身体侵襲をともなう看護技術に関しては無資格の学生が実施できる範囲が限られており,技術経験の機会が限定されている。
臨床現場が,医療の高度化,高齢化,重症化,在院日数の短縮,医療安全の強化へ進展していくことは時代の要請であり,患者への人権の配慮等とともに,この状況はますます強化されていくものと考えられ,看護基礎教育における技術教育のあり方を見直す必要が生じている。そこで,都立看護専門学校(以下,都立看学)7校は新カリキュラムプロジェクトチームを作り,技術教育についても再検討することとした。
なお,看護技術を学内で学ばせる授業形態については,「学内演習」「学内実習」「校内演習」「校内実習」などさまざまな表現がされているが,都立看学では「演習」を“グループ制の小集団学習で学生が主体的に学ぶ授業”,「校内実習」を“看護技術の授業で用い,看護技術の理論の確認,基礎的・基本的な技術の習得,看護の原理原則の適応の仕方,看護者としての態度を学ぶ授業。講義と臨地実習の架け橋となる”ものとし,以後「校内実習」と呼ぶこととする。
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