短報
災害看護教育の現状と新カリキュラムへの課題
長澤 利枝
1
,
松尾 ひとみ
1
,
深江 久代
1
,
稲勝 理恵
2
1静岡県立大学短期大学部看護学科
2浜松医科大学医学部看護学科
pp.588-589
発行日 2010年7月25日
Published Date 2010/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101505
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目的
2009(平成21)年度より,看護基礎教育の新カリキュラムが開始された。今回のカリキュラム改正では学生の看護実践能力の強化が強調され,「統合分野」が新たに設けられた。そして,その教育上の留意点のなかに,「災害直後から支援できる看護の基礎的知識について理解する内容とする」ということが示され,災害看護教育が看護の基礎能力向上にもつながるものとして,その充実化の必要性が打ち出されている。
その一方で,過去10年間の災害看護教育に関する研究状況を調べてみると,日赤系大学・短期大学等における「赤十字災害救護活動」を主軸に置いた教育や,被災地域にある大学等における被災現場の実情を踏まえた応用力を重視する教育に関するものが中心であり,それ以外の,一般的な看護系大学・短期大学における災害看護科目のカリキュラム設定や教育内容等に関するものはほとんど見られず,全体的な災害看護教育の現状が掴めなかった。そこで,新カリキュラムの災害看護教育において,より効果的な教育方法検討の資料とするために,広く国内の看護系大学・短期大学における災害看護教育の実態を調査し,課題を明らかにすることとした。
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