講演
看護教育に求めるもの—国試の改善とカリキュラムの方向
松野 かほる
1
1埼玉医科大学短期大学
pp.373-377
発行日 1989年6月25日
Published Date 1989/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908666
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はじめに
昭和62年4月,看護制度検討会によって,21世紀に向けての看護制度の改革について,基本的な方向が示された.それによると,期待される看護婦像として,①専門職として誇りうる社会的評価を受けるものであること,②国民に信頼されるにたる専門的な知識(サイエンス),技能(アート)を有し,合わせて社会の変化に対応できるよう自ら研鑽につとめること,③患者の心理について,人間として感性高く受容できる資質をもち,患者あるいは住民のもっている問題解決のための方法などを的確に判断でき,それに適切に応えられる力をもっていること,④多くの職種と協力しながら,患者が快適な療養生活ができるような調整役,良きリーダーシップが発揮できること,という4つが示された.そして,それらを前提として看護婦養成の促進,専門看護婦,訪問看護婦の養成など6項目が提言された.
これを受けて,厚生省はそれまでに委員会を設置して検討してきた保健婦助産婦看護婦試験の改善に加えて,期待される看護婦養成のための,指定規則の改正に向けての作業に着手したと聞いている.
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