特集 フィジカルアセスメント教育─どこを強化するのか
呼吸に関するフィジカルアセスメント教育のミニマムエッセンシャルズ―看護・看護系大学2005年調査より
篠崎 惠美子
1,2
,
山内 豊明
1
1名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻
2聖隷クリストファー大学看護学部
pp.478-483
発行日 2007年6月25日
Published Date 2007/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100698
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はじめに
医療技術の変化,少子高齢化といった社会情勢の変化,医療経済の変化など看護を取り巻く環境は大きく変化した。それに伴い,看護師に高い臨床能力(clinical competence)が求められている。フィジカルアセスメントは看護実践の基盤であり,米国ではThe American Association of Colleges of Nursing(AACN)が看護教育において,コアとなる能力の本質的な構成要素であると位置づけており1),基本的な臨床能力の一部となっている。わが国においては,1994年にはじめてフィジカルアセスメントという言葉が使用され,1997年のカリキュラム大綱化以降,看護基礎教育に急速に導入されていった2)。人々が看護師に求める能力育成に応えるべく教育を効果的に行うためには,教育・学習のプロセスと内容を十分に吟味する必要がある。
教育・学習のプロセスでは,学習者にとってのニーズは何かということから目標を導いて,それを明確にしたうえで,その目標に到達するための方略(strategy)をつくるとともに,この一連のプロセスを評価することが示されている3)。そこで,フィジカルアセスメントの教育の有効な方略を検討するために,看護基礎教育における呼吸に関するフィジカルアセスメント教育の最小限必要不可欠な教育内容(ミニマムエッセンシャルズ)を明らかにすることを目的に研究を行った。
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