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書評 看護研究ミニマム・エッセンシャルズ
佐藤 政枝
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1横浜市立大学医学部看護学科
pp.857
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201573
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潔いほどに精選された、看護研究のエッセンスを詰め込んだ一冊
本書は、川口孝泰先生が2002年に執筆された『看護研究ガイドマップ』(医学書院)がベースとなっています。当時、川口先生は兵庫県立看護大学(現 兵庫県立大学看護学部)で教鞭を執られており、科目担当されていた「看護研究」の講義内容が書籍としてまとめられました。私は、学部、大学院(修士課程)をとおして、川口先生から研究法の授業を受けましたので、『看護研究ガイドマップ』はまさに授業資料であり、なじみ深いものばかりです。このたび、その内容が『看護研究ミニマム・エッセンシャルズ』として一新されたということで、感慨深く手に取らせていただきました。
本書を一言で表現するならば、「親切な目次」といった感じでしょうか。研究に取り組むうえで最低限必要となる要素が網羅的に列挙され、読む人の理解を端的に補足してくれるつくりとなっています。もしかすると、研究に精通された研究者・教育者の方には、少し物足りないと感じられる部分があるかもしれません。しかし、1つひとつの内容はとても深く、所どころに川口先生の研究に対する思想や哲学が見え隠れします。多くの時間をかけずに「看護研究」の全体像を概観できる本書は、研究者・教育者にも好まれる参考書となるでしょう。
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