特集 フィジカルアセスメント教育─どこを強化するのか
フィジカルアセスメントを正しく推進するにあたって
山内 豊明
1
1名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻
pp.470-477
発行日 2007年6月25日
Published Date 2007/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100697
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フィジカルアセスメントとは
フィジカルアセスメントの「フィジカル」とは「身体的な」ということであり,「アセスメント」とは「情報となる素材の収集とその整理」と考えられる。かつては,physicalは物理学を表わすphysicsとの近さから「理学」と訳されていたことがあり,本来は「身体所見」と訳すのがふさわしいphysical findingsが「理学所見」と呼び慣わされていた歴史的背景がある。
そのような背景からも,時に誤解を受けることも少なくなかったこのフィジカルアセスメントは,最近その本来の意味をふまえて再認識されている。ここで再認識と述べたのは,これまでなかった概念や行為ではなく,これまでも脈々と行われて受け継がれてきた営みであるからである。しかし,あまりにも当然のように無意識に近く行われていたことであるがゆえに,フィジカルアセスメントは一見すると,あたかもこれまでには存在しなかった新しいもののように受け止められているように見受けられる場面も少なくないように感じている。
その意味では,フィジカルアセスメントは新しくて古くからある技能なのであるともいえよう。
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