特集 教育の改善をめざして―看護学教育研究の進め方と落とし穴
看護学教育研究の動向と今後の課題―わが国における過去10年間の研究を概観して
雄西 智恵美
1
1徳島大学医学部保健学科
pp.190-197
発行日 2007年3月25日
Published Date 2007/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100629
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はじめに
めざましい医療技術の進歩に加えて,人々の健康や医療福祉に対する関心や期待はますます高くなっている。このような社会の要請に応え,人々のQOL向上に貢献できる人材をどのように育成するか,看護学教育に求められている役割は大きい。
実践の科学である看護学を教育するためには,看護学の充実,発展はもとより,多様でダイナミックな看護学を教えるための方法について研究的に取り組み,創造,開発していくことが不可欠である。
1900年代に大学化がすすみ,現在ではほとんどの都道府県に複数の看護系大学が設立され,博士課程も38大学に設置されている。このように,看護学の教育研究機関が少しずつ整備されつつあるが,一方では新卒看護師の実践能力が懸念されている。
本稿では,このような時代のうねりのなかで輩出された過去10年間の看護学教育研究の動向を概観し,今後の課題について述べる。
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