焦点 感染予防に関する看護研究
綜説
感染に関する看護研究—今後5年間の課題
小島 通代
1
,
外崎 明子
2
,
秋山 照男
3
1東京大学医学部健康科学・看護学科
2東京大学大学院医学系研究科博士課程(保健学専攻)
3東京大学医学部健康科学・看護学科成人保健・看護学講座
pp.256-263
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900202
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I.はじめに
大きな流れとして,「すべての細菌が抗生物質にいずれは勝つ」ととらえ,本稿ではこの立場から感染に関する看護をレビューし,今後5年間に何をなすべきかを考察する。
抗生物質が登場し,広範に使われて既に50年経過した。最近10年間で耐性菌の問題が次第に大きくなってきている。このまま推移すれば抗生物質それぞれに対応する耐性菌(多剤耐性菌を含む)が生じよう。すなわち,細菌との戦いは負け戦とも言える。その時のことを看護が今から考えて手を打っておくとすれば,どういう手があるのか。私見による結論は,「看護覚え書」1)に戻るということである。
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