Nursing EYE
「見える世界」と「見えない世界」―統合医療の可能性
小松 奈美子
1
1東日本国際大学
pp.172-175
発行日 2007年2月25日
Published Date 2007/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100621
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■古武術介護技術と欧米的介護技術
最近,医学書院から刊行された『古武術介護入門』で紹介されている介護技術が話題になっている。本誌前月号(48巻1号)で紹介されているのでご存知の方も多いだろう。古武術介護とは,日本に古来から存在していた武術の身体の動かし方を取り入れた介護技術を岡田慎一郎氏が命名したものである。実際,体重40kgにも満たない小学5年生の女の子が183cm,92kgもある男性を軽々と持ち上げてしまうこともあるという。常識では信じられない事実であるが,その秘密は,これまでの「筋力に頼った介護」から「筋力に頼らない介護」への質的転換にあるらしい。
これまでの既存の介護技術は「相手を自分の筋力を使って動かしてあげる」という視点に立っていた。しかし,古武術介護は「動かしてあげる」のではなく,「相手の動きにシンクロ(同調)することによって,もともと双方がもっているチカラを引き出す」という発想法にもとづいている。
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