JIM Report
非医療者から見た「お医者さん」の世界―隔たりの向こうに見えたもの
熊谷 典子
1,2
,
松嶋 大
2
1自治医科大学大学院医学研究科修士課程
2自治医科大学地域医療学センター地域医療学部門
pp.230-233
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101652
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私「先生,『オペテキなし』ってどういう意味??」
松嶋先生「それは,手術へのテキオウ(適応)がないこと」
私「『テキオウ(適応)』ってどういう意味?」
松嶋先生「……それって医学の専門用語じゃないでしょ!?」
お医者さんが使う言葉は難解である.適応,予後,合併症,増悪,再燃…….とくにやっかいなのは,「適応」のように医学の専門用語ではなくても,私のような一般人(非医療者)が日常的に使う意味合いと違うものがあることだ.私が医局で研究をしていると,先生たちは私が一般人だと知ってか知らずか,難しい単語をぽんぽん投げかけてくる.正直なところ半分くらい理解できていない.
先日,隣で先生たちが患者さんの病気のことで何やら議論していた時も,最初はそれが日本語であることすらわからなかった.「てにをは」がかろうじて聞き取れるくらいで,後は何をいっているのかさっぱりわからない.「医学用語って難しいな……」そんなことを考えていて,ふと思った.「先生たちは,患者さんにこれを噛み砕いて説明しているんだろうか?」
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