連載 臨床医が病院長になった日・13
見える世界が変わるとき—臨床医から病院長へ
橋口 陽二郎
1
1大森赤十字病院
pp.70-71
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770840010070
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■はじめに
大森赤十字病院(344床)の院長に着任して1年半が経過したに過ぎませんが,いろいろ感じるところもあり,重要と思ったことを書かせていただくことにいたしました.
臨床医が院長に就任すると,新たな役割と責任が生じ,事務的・管理的な課題に直面することになります.私の場合は大学教授からの転身で,ある程度の管理職経験はありましたが,診療科をまとめるのと,看護師や薬剤師など全職員を統括するのでは必要な知識やスキルのスケールが全く異なると感じました.日本赤十字社の病院は全国で91ありますが,院長の多くは副院長からの昇格で,外部施設からの就任は16%程度に過ぎません.副院長からの昇格者は病院管理の経験が豊富な場合が多いですが,私のような他施設からの新任の院長は,面識のある職員も少なく,最初は戸惑うことが多いと思われます.
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