連載 りれー随筆・423
歩んだ道と見えてきた世界
角 依美
pp.308-309
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201516
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2人の子を出産して
私が助産師という職業に魅了されたのは,助産学生の頃,兵庫県のマナ助産院でのお産に立ち会う機会を頂いたからだ。「赤ちゃん,こっちやで〜」。赤ちゃんを待つ,永原郁子先生の温かく安心感のある声。薄暗い部屋で,ママは家族に囲まれた穏やかな空気感の中で陣痛の波を乗り越える。あの空気感にあの声で導かれたら,赤ちゃんも安心して生まれてこられるだろう。
助産院での出産風景は,私まで温かくて幸せな気持ちにさせてくれた。また,幼稚園での「いのちと性」の講演も見学し,助産師の仕事は分娩介助だけではないと知った。愛され一生懸命生まれてきた命,自分も相手も大切に想うことを発達段階に合わせて伝えられた。地域で女性や子どもたちに助産師を身近に感じてもらえるような,助産師になりたいと思っている。
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